旧東独が戦後全力で取組んだ高速SLだが、時代は既に電化やDLたちの世界であった。しかし、HOスケール・ゲージではRoco製が気合を入れて発売。プラ量産品では最高の表現力を発揮してベストセラーになった。直径2メートルを越える巨大なスポーク動輪の美しさ、ボイラー下メインフレーム表現ともシー・スルー表現に思わず息を呑む。こうした表現が可能なのは、テンダー・ドライブとテンダー車輪に輪ゴム・タイヤを履かせるヨーロッパ伝統の考え方による。模型はダブル・テンダー仕様も売り出された。この美しいスーパー・ディテールの量産品は、入荷当時の価格は5万円前後ではなかったか。